あの日あの時あの場所で?

復帰!(゚┏д┓゚)ノシ
by factfinder
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乾いたままで。10

 首筋に当てられた唇はゆっくりと上がり、最後には私の唇にまでたどり着いて何度か重ね合う。その間に私の腰に回された手は、背中のボタンを片手で器用に外していく。一つ一つボタンが外されて、はだけていく背中を、それとは逆の手がゆっくりとなぞる。くすぐったくなり、顔を上げて身をよじった時に、上半身が腕とサポーターを残してあらわになった。
「・・あ」法衣を脱いだ時にした自分の体臭に恥ずかしさを覚た私は、サポーターを外そうと上げ始めていた騎士の胸をそっと押すと「ごめん、シャワーだけ浴びてくる」と言った「臭うでしょ」
 騎士は両手で胸を押している私の手を片方だけ取ると「いや・・」甲に軽く唇を当てて「気にしないよ」と答える。
「だめ」
 私が気にするんだとばかりにそう言ってベッドから降りると、上半身だけはだけた法衣を全部脱ぎ、下着姿のまま法衣を椅子にかける。立ち上がった拍子に揺れた視界に少しふらつきはしたが、シャワーだけでも浴びないとまずい。今朝から入ってないし。
 大丈夫?と聞こえる声を背に、出入り口の付近にあるもうひとつの扉を開くと、待っててと騎士に答えてから扉を閉めた。中は真っ暗で何も見えないが、仄かに光る灯りの光量を大きくする。
中には赤茶けた鉄製の蛇口が見える。後は洗面台とトイレ、仕切りのカーテンの向こうに鉄製の浴槽が。あまり高くは無さそうな物達を見て、アイン産かと勝手に決め付けた。蛇口を捻ると、きぃと音がして水が出てきた。少し冷たかったが、まぁいいかとそのままにしておくと、下着を外しはじめる。サポーターを脱ぐ時に背伸びをするクセがあり、酔っていたのと合間って扉に頭をぶつけた。こつんではなくて、がつっ、だった。頭に残る痛みをこらえて脱いだショーツと共に、下着を洗面台の端に丸めて置くと、浴槽に入ってからカーテンを閉める。足元にかかる水の冷たさに辟易しながら、髪を少し丸め、水にかからない程度に結い上げた。少しそのままの体勢で流れ出る水を凝視していたが、気合を入れて背中から浴びてみる。いっ、と声が出たが、まぁ我慢できない程じゃなかった。背中に感じる水が体に馴染んでから、正面に水を浴びるよう体の向きを変える。ふと、石鹸がないかカーテンを少し開いて見てみたがどこにもない。更にまずい事に、タオルすらなかった。まぁいいかとそのまま手だけで体を擦る。蒸れていそうなところだけだけど、やらないよりはいいだろう。
 最後に顔を洗うと、水を止めてカーテンを開ける。水が滴るのが分かったが、騎士を呼ぶにしても扉を開いてからだった。
 申し訳程度に両手だけ振って水滴を飛ばすと、浴槽から出て扉を開く。
 扉から少しだけ顔を出して、タオルーと叫んだ私に、あははと笑いながら「すぐ持っていく」と返答が聞こえた。
 はい、という声と共に差し出されたタオルを、少しだけ開いた扉から受け取る。何故か扉を開こうとした馬鹿騎士に、「まって」と強めに断ると、さっと体を拭いてからタオルで体を隠す。小さめのタオルだったらしく、前しか隠せてないような気がするけどまぁいい。灯りを最初の設定に戻してから下着を取ると、扉を開いて外に出た。
「ごめんお待たせ」
 いつの間にかベッドに座っていた騎士は、鎧やチェインメイルを外して上半身が裸になっていた。私はベッドに近寄ると「シャワー浴びる?」と尋ねてみる。
「下に行く前にもう入ったから」と、騎士は笑いながら言うと、立ち上がって私の体を抱きしめる。
 タオルで前を隠して抱くように持っていた私は、促されるままベッドに座らされた。いつの間にか取られていたタオルは床の上に落ちていたが、気になったのは私だけだろうなと思う。横に座った騎士が、唇にキスをしながらゆっくりと倒される。
 背に回った手を前に持ってきて、乳房をなぞると優しく掴まれた。惜しまず重ね合う唇は騎士の方から離され、今度はゆっくりと下にさがると、乳房に唇を這わせて愛撫される。私は騎士の頭を自分の胸に押し付けるように、強く、抱きしめた。白くなれるよう願って。

「・・っ」と私の上で果てた騎士は、最後に口付けをするかのように顔を寄せてきた。目を閉じて近寄らせてくるその顔を、覚めた目で見た私は唇を重ねる。
 それで満足したのか、私の上から横に移動したのを確認してから、私はベッドから立ち上がった。騎士は気にした風もなくそのまま横になっていると、私がタバコを探している少しの間に寝息が聞こえてきた。
 こう暗くては見つけられないと諦めて、床に落ちたタオルを拾い上げると、またシャワーを浴びに向かった。何処か乾いている様な感情が沸いてきた私は、さっき飲まなかった水の事を思い出す。
つい口を割って出てきたのは、喉渇いたなという言葉だった。
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by factfinder | 2006-05-01 00:10 |