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あの日あの時あの場所で?

復帰!(゚┏д┓゚)ノシ
by factfinder
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心静まり、そして・・。21

夜月さんの方を見て感心していた僕の耳へ声が届く。届いた内容からヴェスパーと呼ばれたヤツから出たセリフなんだろうけど、さっきとは聞こえ方が違って僕は戸惑った。頭に響いていたさっきの聞こえ方とは違う・・。まるで・・。

「そうだ」 「正解」 「呼ばれる名は多々あるけれど」 「その一つに当てはまる名」

多方向から聞こえてくるような、同じ方向から聞こえてくるような・・。
なんとも不思議な聞こえ方がする。自分の耳を疑うより先にヴェスパーの方へ目を向けると。
何やらこちらに微笑みかけて手を前にかかげて礼をしてきた。

「「「「ヴェスパー」」」」

重複して聞こえるその声と共に顔を上げると、夜月さんへと投げかける。

「さすがというべきか」

投げかけられた夜月さんはいつもの笑みで

「先程とはちごうて声がおかしいぞ」

そう言いスペルを唱えだした。
それに合わせてQさんも詠唱をはじめ、やんさが前に出る。
はじめる気か・・・!
ボクも気弾を溜めるべく集中した。
けど

「声の説明」 「聴かなくていいのか?」

ヴェスパーが次に発したセリフで、夜月さんは腰にさした短剣へと手を伸ばす。
が、そこで手を止めた。
ボクも周りの皆も詠唱や集中を止めたりはしなかったみたいだけど。

「どうでもいい事じゃが・・気になるといえば気になるの・・。」

今度は言葉を止め、短剣を握ると抜き放った。
紅い刀身を蒼に染めながら高らかに言い放つ。

「・・・気になるといっても。小蝿程度にじゃがの!」

珍しく強い言葉を各自が勝手に合図と解釈したようで、ボクを含む全員が駆け出した!
気弾を右手に寄せてヴェスパーを目指す。
ストームガストをカーテンに、極力自分の位置を悟らせぬよう。
by factfinder | 2006-06-13 16:31 |