あの日あの時あの場所で?

復帰!(゚┏д┓゚)ノシ
by factfinder
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心静まり、そして・・。 6

「呆けとらんで走らんか!」

先頭を走る夜月さんに注意された。何度も後ろを振り返っているのに気がついたのかな・・。
呆けるなと言われても、さっきの小部屋にはLuが・・・。
と言うか、最後尾のボクの姿が見えてるのかが気になった。

「心配せんでも、あやつは今のところ大丈夫じゃろ」

夜月さんはボクの考えてる事がわかるんだろうか?

『今のところ・・?』

「その先は出てから話そう。おんしの口からどうなったのかが聞きたいからのう」

そう言うと葭さんを一瞥して、ため息。
ど、どうしたんだろ。

「知らせてくれたんはええんじゃがー・・。如何せん説明下手での。葭は」

「『あ、あはは』」

同時にボクと葭さんは苦笑いをした。
そんな話をしてる間に、廊下の先に光が見えてきた。
と言うか・・。何か暑いような・・。

「火の回りが速いみたいじゃの!ほれ、行くぞ!」

『火!?』

「Luが暴れておった時に、灯りが本に引火したんじゃろうて。ワシがついた時にはもう手がつけられなんだわ」

Lu・・。
このままだと・・・、Luも危ないんじゃ!?

「安心せい。もうおらんようになっとるじゃろ」

そう言うと来た道をを顎で示し

「の?気がつかなんだか?」

口の端を少しだけ上げて笑う。
そういえば・・。あの無機質な気配が消えてる。

「さぁ出るぞ。話はそれからじゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





何度同じ話をさせれば気が済むんじゃ!』

ワシとしてはこんな所に長々といとうはなかった。
尋問室とでも言うような質素な部屋には机が一つに椅子が二つ。
目の前におるのは、私がセージ駆け出しの時にお世話になった恩師。
話の内容が明るかったなら、酒でも酌み交わしながら久しぶりの再会に感謝し、笑いあったのじゃろうが・・。
図書館から出たワシ等を待っておったのは、プロンテラ王国騎士団と各種職業ギルドによる別々の事情聴取。
どこのどいつが通報したのかは知らんが、周囲には魔法士やら騎士やら聖職者やらが、雲霞の如く押し寄せておった。
あれよという間に取り押さえられ、そのまま連行された訳じゃが・・。
何度も同じ質問しかしてこん。
聡明な恩師とは思えん発言ばかりで辟易しているところじゃ。
とは言うものの、身内から放火犯が出たとなると知らぬ存ぜぬは通じんよの・・。
顔馴染みの司書官は黙ってくれとったみたいじゃが、数名のプロンテラ兵にLuの姿を見咎められておっては、弁解の仕様もなかった。

「そう言うな・・。セージギルドの長老としても、夜月が犯人だとは思わんのじゃがのう・・。プロンテラ国立図書館が炎上したとなるとワシ一人の裁量ではどうにもならん」

いつもの好々爺然としたなりは潜められ、それでいて非難の目をワシに投げるでもない。
そんな恩師に少しだけ謝罪の念を感じずにはおられん。しかし・・。

『しかしの・・・。このまま呆けておっても事態は好転せんじゃろ?さくさくと下手人を捕まえてくるよって、今は解放してもらえんか?』

「うーむ・・。」

顔をしわくちゃにして考え込む恩師。
そう悩む事でもあるまいに・・。

「構いません」

どこからか声がした。ワシでも気がつかんとは・・。
声の主はドアとは真向かいの、採光窓横に立っていた。

「『GM・・・!?』」

少し薄暗い部屋には、いっそ似合いそうもない真っ白な服。
此方を一瞥し、笑うその顔に不安を抱かずにはおられんかった。
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by factfinder | 2006-06-13 16:16 |