あの日あの時あの場所で?

復帰!(゚┏д┓゚)ノシ
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MPD事例 Vol.2

 GDに来たのは気まぐれ。新しい武器を手に入れたから試し切りに来た訳だ。
 回避が足りてる訳でもない私としては、数回この無形剣をナイトメアに叩き込めれば満足だった。
 まぁ得てして探している時に限って見つからないのが世の常なのか、ナイトメア一匹探す間にドレインリアーだとかグールだとかが大挙を成して私に襲い掛かってくる。
 いくら回避が足りないからといってもそんな雑魚共にやられる訳もなく、10分程GDをゆっくりと索敵していた。
 ここに来て何匹目かのナイトメアにソウルブレイカーを叩き込んでやると、不気味な断末魔と共に沈んでいく。気持ちいい。
 と、消えた青白いナイトメアの向こうに、何やらペア狩りらしい二人が見えた。
 片方はスナイパーかな?使い古した様なコンポジットボウを片手に、ハンターより少し厚手の服装。少し長めの髪が胡散臭そうに見えるけど、紫色のリボンが何故かよく似合っていた。白色と言うより鼠色の目立つその姿の後ろに、やはり鼠色の鷹がつかず離れず付き従う。と言うか望遠鏡がヤダ。顔も良く見えないし。
 もう片方は聖職者。白が目立つ長めのコートを羽織って、手にはロッド。少し大きめの額を見せるように切りそろえている髪と、何故か巻いてある朱色のリボンが妙に似合っていた。何と言うか可愛い感じの少年に見える。
 ぱっと見た以上の感慨や逡巡もせず、テレポを詠唱しようとした私に、その聖職者の方が速度とブレスを投げて来る。ありがとうと言う前にテレポを唱えてしまい、その場から去ってしまっていた。デコ助に悪い事したかなと少し反省はしてみたけど、目の前に現れたナイトメアを発見すると、また会うだろうと試し切りスタート。


 また5.6分程ゆっくりと索敵していると、またさっきの二人が遠目に見えた。
 一応ありがとうぐらいは言っておくかと、不注意に近寄る私の真横にオーガトゥースが沸く。
 音も無く近寄る剣の形をした悪魔に不意を突かれ、私は右肩から袈裟切りにされた。

「・・・・ぅっ」

 正直声も出ないほど痛い。焦ってバックステップをしたのはいいけど、どう考えても後ろは崖で逃げ場が無い。テレポを唱えようにも、目前まで迫ったオーガトゥースが私を貫くより先に、詠唱出来るとは思えない。
 倒れる事を予想した私に、不意にヒールが飛んできた。肩から右腕まで切られた傷が瞬時に癒される。ヒールの飛んできた方を見ると、さっきのデコ助。その横に何故かこちら目掛けてアローシャワーを叩き込んでくるスナイパー。
 その二人に気を取られていたが、自分が追い詰められていた事を思い出して向き直る。あ、と思う間に肉薄していたオーガトゥースを見ると・・・・、何故か動かない。その足元にはアンクルスネアがかかっているのが確認できた。さっきのアローシャワーでアンクルスネアを飛ばしたのかと一人で納得した私は。

「ありがと」その二人に向けて呟く。

「いえー」

とデコ助の方が答えてきて、スナイパーの方も少し口元を緩ませながら「いえいえ」とかえってきた。
 今はまだアンクルにかかってるとは言え、私一人だと確実に倒せないだろうオーガトゥースを一瞥すると

「手伝ってもらえませんか」

と、頼んでみた。すると、結構軽いノリなのか

「おっけー」

と、デコ助の方が私にアスムプティオを詠唱してくれる。ソレをみたスナイパーはアンクルスネアをもう一度オーガトゥースに叩き込んでから、ダブルストレイフィングを嵐のように叩き込み始めた。
 呆気にとられて見ていた私も、思い出したようにソウルブレイカーを叩き込む。
 すると、思ったよりあっけなくオーガトゥースは姿を歪ませていった。
 ソレを見て安心した私は、ため息を吐くと

「助かりました」

と微笑みかけた。同時にその二人へと視線を向ける。
と、後ろに。
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by factfinder | 2007-10-15 22:00 |  

MPD事例 Vol.1

 このインタビューは”ある聖職者”と共に狩りをした○○(名前は伏せるが職はAX。以降Aと記述)の告白を元に構成。初めは渋っていたものの、アサシンギルドの印章を見せると、ポツポツとだが話し始める。真偽の方はまだプロンテラ修道会上層部に掛け合えてはおらず、公の場に出す可能性は未定。
 これはあくまで憶測としてだが、もしコレが事実ならば・・・・。



「そうね・・、先ずは名前から聞いておこうかしら。あと、職業もお願い」
「名前はさっきも言ったはずだし、職業とか見てわかって欲しい」
「あぁ、ごめんなさい。一応よ、一応」
「・・・・。」
「ほら」
「○○。職はアサシン」
「あら?アサシン?」
「クロス。何だっていいだろ」
「まぁそう、ね。で、彼・・い・・・・」
「あの人と会ったのはたまたま」
「臨時か何か?それともギルド間で斡旋でもあった?」
「たまたま狩場で会っただけ」
「そう、じゃあその狩場ってどこ?」
「ゲフェンダンジョンの2階」
「そこであなたは何を?」
「何って・・狩りだよ」
「そう。それじゃ・・・・」
「向こうも狩り。ペア狩りだった」
「そ、そう。あなた、事が起こった時は倒れていたと証言したようだけど何か覚えている? 」
「戦う力が無かっただけで気絶はしていなかった」
「ならそうね・・・・。あなたが話しやすいところからでいいから話してみて」
「・・・・。」
「・・・・そう、ね。ならその聖職者と会った所からお願い。」
「・・・・会ったのは確か」




 ここからが本題。Aの視点で復元、再生。あくまで状況確認のレベルだが、件の聖職者、もしくはペア狩りの相手を捜索出来ていない以上、もっとも事実に近い証言と思われる。
詳細は次のページ以降に記述。
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by factfinder | 2007-10-15 20:57 |  

心静まり、そして・・。29

普通に歩いていても何故か早い夜月さんを少し小走りで追いかけていく葭さんの後にボクは続く。
でもどうしてこんな場所にいるんだろう・・?
一時間程前までいたはずのジュピロスの面影も、ついさっきまでいたあの暗闇の面影もまったくない。見渡す限りあるのは木々。時折何かの遠吠えや鳥のさえずりが聞こえる普通の森だ。

『夜月さん・・。ボク達どうしてこんな場所にいるんですか?』

意を決してハーレクインの後に続く夜月さんへ尋ねてみた。
夜月さんは立ち止まる事なく、答えるでもなく・・先に進んでいる。
ボクの声聞こえなかったのかな・・?
少しだけ答えを待ったけど、聞こえなかったと決め付けてもう一度尋ねた。

『・・あの?』

「それは、ここにどうやって来たかという質問か?それとも此処が何処かか?」

ボクの声と夜月さんの声が重なった。
無視した訳じゃなくて聞き方が悪かったのか・・。
立ち止まって頭をひねって考える。
此処は何処?どうやって此処に来たんだ?
少し考えた結果

『両方・・です?かね?』

になったのはボクだけじゃなくて葭さんもなはず。
前を歩く葭さんに目を向けると・・アレ?前にいたはずなのにいなくなってる・・。
少し目を離しただけなのにいなくなった葭さんを探すように周囲を見渡すと

「そうじゃの・・」

と、いつもの耳を触るポーズで立ち止まっていた夜月さんと目が合う。

「先ずここに来れたのはの、おんし、彷徨う者に切り付けられなんだか」

『あ、はい。二度くらい切られました』

「インティミじゃ」

『ぇ、でも・・ここジュピロスには見えないですよ』

「まぁインティミのポタ仕様といったもんじゃろ」

『なるほど』

周囲を見渡しながら軽く肯くボク。
あ、葭さんいた。

「次に、ここは、ホレ、先程見たじゃろ」

「早くこちらへ」

草を見つけて毟っている葭さんを放置する事に決定した僕は、ハーレクインに催促されて歩き始めた夜月さんを追う様に歩きだす。

『ジュピロスでですか?』

「ほうじゃ。何者かの過去の記憶」

『と言う事は・・迷いの森?』

「うむ」

「待ってくださいー!」

嬉しそうに駆け寄る葭さんは、毟った青い葉を腰の袋にしまいこんでいる。
その姿を見て、離れている僕にも分かる程大きくため息をついた夜月さん。
多分聞こえるようについたんだろうな。

「最後に」

何もなかったように話を続ける姿が、軽く笑いを誘った。

「この悪趣味な道化があわせたいモノの意志で・・・・・・」

「ここでございます」

ハーレクインが立ち止まりこちらを向いて告げた言葉が、夜月さんの言葉を途切る。
ハーレクインが示す先には・・・・。
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by factfinder | 2006-06-13 16:39 |  

心静まり、そして・・。28

首を縦に振ったボクの背後で、固まったまま動かなかったハゲが動く気配がした。

「それでは、ご案内させていただきます」

正面からしたピエロの声に何故か不安を覚える。
前にもこんな展開があったような・・・?
そう思った瞬間、背後から押し付けられた殺気に振り返った。
腰の鞘から獲物を抜き放つハゲを確認できただけで、またボクの意識は暗闇の彼方。


「・・ろ」

何?

「お・・・ろ」

何を言ってるんだろう?

「お・・と・・」

目を開いてみても、視界が歪んで見えないし、声もちゃんと聞こえてこない。
何が言いたいんだろうか・・。

「言うとるじゃろうが!」

『がっ!?』

聞きなれた怒声と、不意に腹部へ叩きつけられた何かで目が覚めた。
くの字にまがった自分の体の真ん中に叩きつけられたのは本だった。痛いはずだ。
あ・・・あの・・?と言おうと努力はしてみたが腹筋に力が入らずにはひゅうとかそんな感じの音を出すのが限界。

「はひゅうじゃあるか・・。まったく良く寝られるの」

怒り半分、呆れ半分の調子で話し始めた夜月さんは、ボクのお腹の上から本をどけると、立ち上がった。
それを見てボクも立ち上がろうとすると、左肩から右の脇腹にかけて激痛が走る。
ボクがその痛みでうめくより先に葭さんが近寄ってきてヒールを唱えてくれた。

「だ、大丈夫ですか?」

葭さんの質問には答えずに、あのハゲ・・・!めいっぱい斬りつけやがって!そう心の中だけで毒づく。
続いて出たセリフは。

『ここは・・?』

周囲は森。
何時か、何処かで見たはずの。それもごくごく最近に。
周囲を忙しなく見渡すボクをみて

「驚くのはまだ早いぞ」

と、夜月さんはいつもの笑みをみせた。
ボクがどういう事なのか問いただすより先に、目前に現れたのは先程のピエロ。

「自己紹介の方は省略させていただきます」

そういうと大仰に一礼して

「では、こちらへ」

そう言うと森の奥へ歩いていく。
ど、どこへ?!
ボクは慌てて立ち上がり、ハーレクインの後を追う。
夜月さんは既にヤツの後ろについて歩いていたし、葭さんは夜月さんに着かず離れず。
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by factfinder | 2006-06-13 16:38 |  

心静まり、そして・・。27

何の前触れもなく刀を抜き放つハゲは、ボクに向かってきりつけてきた。
下段から振り上げられる刃をかわそうと後ろへ飛んだけど、間に合わずに切りつけられた。

『・・っ』

痛みが時間差で襲ってきて、そのまま突きを繰り出すハゲへの反応が遅れる。
夢じゃなかったのか・・!
膝をついたままの姿勢じゃ避けられない。

「あなたに足りないものをここで見極めなければ!」

顔を狙って突かれた切っ先を間一髪で避けたが、遅れた反応からどう考えても避けきれずに頬を浅く切り裂かれる。

「速さが足りないのは先程分かりました」

やられるだけではダメだと思い至ったボクは、さっき集めた気弾を全部手元に集めた。
ハゲは突きをした姿勢のまま切っ先を振り上げる。
ピエロの声にイライラした僕は大声を上げなら

『うるっせえええええええええええええ!!!!』

集めた気弾を右手で握り締め、押し出すように放り投げた。

「・・・・・・・ふむ」

五つの気弾はハゲを貫いたけど・・。

「冷静さには欠けるようですな」

あまりダメージを与えてなさそう・・?
振り上げた姿勢のままでいたハゲは、そのまま刀をボクに振り下ろす。
が、肩に落ちる寸前で刃は止まった。

「ま、見込みはあると言う事ですか。・・・よろし!」

あれ?と思う間もなく、膝を突いたままの姿勢でいたボクの背後にいつのまにかピエロが現れていた。
相変わらず気配がない。

「さて、これからあなたにお会いさせたい方がいらっしゃるのですが」

首元に刀を突きつけられたまま固まっていたボクに、そのピエロが話しかけてくる。
刀をどけて欲しいけど・・。この姿勢じゃなんともいえない。
と言うより・・何故助けられたのかを話してくれるんじゃなかったのか?とは思ったが、とりあえず返事だけをしてみた。

『・・・誰だよそれ』

間を空けず

「それだと?」

と、後ろからトーンの低くなった声が聞こえた。

「お前の様な輩に、あのお方を"それ"などと言う資格などない」

『・・・』

さっきまでの陽気な声とは裏腹に、威圧感のあるその声は、このピエロも悪魔だったという事を再認識するには十分だった。

「ま、会っていただければお分かりになるでしょう」

急にまた元通りの声に戻ったピエロは、刀をボクの首元から持ち上げる。
ハゲは固まったままだったが、ピエロの動作を最後まで見届けてから刀を鞘に戻した。

『助けられた理由はどうなった?』

ボクは胸元にヒールを唱えながら立ち上がってそう聞いてみた。
むかつくピエロだが、やり合っても今は勝てそうにない。

「向こうでお話しするという事でどうでしょうか?」

振り返ってピエロを見ると、笑いながら続けた。

「お連れ様もいらっしゃる事ですし、ついて来ていただけますよね」

有無を言わさぬとはこの事なんだろうな。夜月さんがいれば何か言ってくれただろうに・・。
あのお方とやらのいる場所にいる夜月さん達の事を考えてから。
ボクは首を縦に振った。
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by factfinder | 2006-06-13 16:37 |  

心静まり、そして・・。26

『・・・』

とりあえず何事かのたまうボクの幻想は無視して、自分の体に異常がないか確認をはじめる。
手も足も動くし、どこも痛い所はなかったけど、何故か服の胸元が切れているのが・・。
胸元?

「あぁ、申し訳ございません。」

切りつけられた様な痕が出来た胸元を凝視していると、聞いてもいないのにピエロが話しかけてきた。
ボクはそのピエロ・・ハーレクインとかいうジェスターを見て。
・・見てため息をついた。
あー・・本当にボクはどうしたんだ。

「我が従者めが力の加減を間違えたようです」

再びのたまいだしたジェスターは何やら大仰に肯きながら

「彼の者も悪気があって切りつけた訳ではございません。寛大な心でもってお許しになって下さい」

と頭を垂れる。
ん?って事は?
ふと思ったことを一応聞いてみることにしたボクは、ハーレクインに目を向けて呟く。

『・・・・それってさっきの夢のハゲ?』

すると、驚いたように両手を振るハーレクイン。

「ですから、夢ではございません」

『あんな所でハゲが出てくるはずないと思うんだけど』

「ハゲとは・・・?風守の事ですか?」

かぜもり・・?誰だそれは。
ハーレクインは顎に手をやり、大袈裟な仕草で考え込んでいる。

『風守って何?ってか誰?』

「多分・・ではございますが、ワタクシの言う風守とあなたが仰るハゲとは同じ者の事なのでしょうな」

一々話し方がおかしなハーレクインをまた無視する事に決めた僕は、気弾が生成できるか試してみた。
思いの他なんの生涯もなく作られていく気弾。

「いささか、混乱していらっしゃるようで」

無視無視。
気弾作成を続けるボク。

「初めからご説明いたしましょうか?」

無視無視。
五つ程ボクの周囲に浮かんだ気弾を見るボク。

「私は、あるお方のご命令であなた方を助ける為に参ったのです」

無視無・・そういえば・・。助けた云々いってたなコイツ。

『・・・聞いてみるだけなら』

「よろしい!では先ず・・」

そこまで言うと、何故か夢のハゲがボクの目の前に現れた。
真っ白な和装をした禿頭の骸骨。
ハーレクインの言葉を信じるなら風守とかいうハゲ。

「お力の方、試させて頂きます」

片足を上げてもう片方の膝の部分にあてて両手は腰に。
どう見てもボクを馬鹿にしているような格好のハーレクイン。
何がしたいんだろうコイツは・・・。
意味不明な展開につい声が出た。

『・・は?』

「風守。手加減はなりません」

『・・・・は?』
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by factfinder | 2006-06-13 16:36 |  

心静まり、そして・・。25

音が聞こえる。
どんな音だと聞かれても少し困る。
音が聞こえる。
例えるなら雪降る町に流れる音かなと思う。
音が聞こえる。
その音以外にも何かが跳ねる様な音もした。
音が聞こえる。
最後の最後に聞こえたのは。

笑い声。

ここどこだろう?
変な笑い声で目を覚ますと、周囲は真っ暗だった。
見渡す限り闇が広がっているけど、僕の体だけは確認する事はできた。
どうしてなのかは分かりはしなかったけど、そんな事はどうでもいい。
確かボクは気を失って変な夢を見ていたはずだ。
最後に彷徨う者が見せた顔を思い浮かべる。
やっぱりおかしい・・。でもまぁ、そんな事はどうでもいい。
今は見失ってしまった皆を見つける事の方が先決だと思い至った。
軋む体に鞭打ちながら、うつ伏せになっていた体を上げた。
ふと見上げたその先には。
目深に被られたピエロ帽。
赤く十字に化粧された目。
鼻は丸く、口は耳元まで裂け。
妙に丸い服を。
細長い手足の先には、白い手袋に先の尖った青い靴。

道化師?

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また夢か』

大きな玉にも乗っていない奇妙なジェスターがこちらを向いて笑っていた。
唖然としたボクは頭を抱えて呟いた。

「失敬な」

不気味なほど大きい口が紡ぎ出した言葉は思ったより明るい声。

『夢だとピエロが喋るのか』

夢だとわかったらこっちのものだ。
何度も何度も夢見るなぁ。夜月さんやQさんどこいったんだろう?さっきの夢は妙にリアルだったなぁ。などとジェスターを無視して考え始める。

「ピエロとは心外ですな」

またこちらを向いて笑い始めたジェスターは無視。
ボクは背を向けて、どうやったら目が覚めるか考え込む。と。

「助けて差し上げましたのに」

妙な事を言いながら、急に目の前へジェスターが現れた。

『なっ!?・・・ビックリするだろ!ボクの夢なんだから考え事くらいさせてくれ!』

語尾を強めに言ってはみた。が、目の前で笑い続ける不気味なジェスターは、ボクの言葉を聞いているのかもわからない。
ニコニコと笑い続けるジェスターを見ても今は不快感しか沸かない。
ボクはまた背を向けて・・。

「ワタクシの名前はアルレッキーノ=アルルカン。古き友は皆、親しみを込めてかこう呼ばれます」

またボクの目前に現れた不気味な道化師は、そこまで言うと背を丸めて仰々しく。

「ハーレクインと。以降お見知りおきを」

深く頭をたれ、お辞儀をしながらそう言った。
ボクの疑問はただ一つ。
どう略したらそう呼ばれるようになったんだ?
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by factfinder | 2006-06-13 16:35 |  

心静まり、そして・・。24

狂ったように暴れる三頭の白蛇。
ロードオブヴァーミリオンだと思うけど・・いったい誰が。
視界から光は去ったけど、ボクの目に焼きついた強烈な光の影が消え去るのに少し時間がかかりそうだ。

『みなさん!大丈夫ですか!』

大声で叫んでみるけど、あの轟音で耳もおかしくなってるみたい。
だけど・・キィンと耳に響く音がボクを不安にさせた。

『夜月さん!Qさん!』

叫ぶうちにだんだんと視力は回復してきた。
周囲には粉々に砕け散った板や天井。
床には正方形に大穴が開いている。
胸にわだかまる不安がどんどん強くなってきた。

『葭さん!やんさん!』

「何じゃやかましいの!」

『よ、夜月さん!』

瓦礫を縫うように夜月さんがこちらに歩いてきているところだった。
耳鳴りも収まってやっと声が聞こえるようになったみたいだ。

『さっきのは一体・・?』

ボクは唯一ロードオブヴァーミリオンに気がついた夜月さんに問いかけた。
夜月さんはいつの間にか肩に葭さんを背負っている。

「さぁの」

そう答えた夜月さんは、重そうに抱えていた葭さんを瓦礫の山に無造作に落とした。
ドサッと落ちた葭さんをボクは可哀想にと思いながら見つめた。
まともにロードオブヴァーミリオンに当たってしまったのか、何とも痛ましい。

『さぁって・・』

目線を葭さんから夜月さんの居た方向へかえると、そこには。

彷徨う者?

『はげええええ!?』

目の前で起きた出来事に、大声を出す事でしか反応できなかった。
というか登場が意味不明すぎる!
夜月さんは!?
声に反応した彷徨う者は、ボクを見咎めると切りつけてきた。

『うぉ!?』

偶然の賜物か、間一髪避けたボクは走って逃げる。
追いかけてくるハゲ。
中央に開いた大穴を避けるように、その周囲をくるくると回って必死で逃げる。
そ、そうだ葭さんは!?

『葭さーーーーーーーん!』

ボクは大声で呼びかけると、息を切らしながらもさっき葭さんが落とされた場所を・・見。
いない!?
ちょっと!ちょっと待ってちょっと待って!!!

『ちょっと待って!』

ハゲの前で止まって両手でストップの意志を表すように何度も振り続けた。
何故か止まるハゲ。
腰の獲物から手を離し、何故か周囲を見渡すように止まっている。

そ、そうか。コレは夢なのか。
さっきのロードオブヴァーミリオンでボクは気絶したに違いない。
それだったら夜月さんや葭さんの不親切過ぎる消失にも説明がつく。
一人で悶々と考えていると、彷徨う者がこちらを凝視しているのに気がつく。

『それにしても何でハゲが・・』

不思議に思った事を口に出した瞬間、彷徨う者はこちらに切りかかってきていた。
袈裟切りにされた僕が見た最後の光景は。

骨のクセに青筋の浮かんだハゲの顔。
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by factfinder | 2006-06-13 16:34 |  

心静まり、そして・・。23

時間差で聞こえた破砕音。
ボクの周囲を囲みつつあった牙は動きを止めていた。

「ぐっ」

前方から何やら声が聞こえる。
ボクは後ろに飛び去りながら一定距離をとった後、皆を見渡してみる。
それぞればらばらになってはいるが、ヴェスパーを囲むように円形になっていた。

「あっれ・・・?」

葭さんの声が聞こえる。
それにつられてボクもヴェスパーを確認してみると・・。
ボクも同じ感想だったけど声までは出なかった。

「アサシンだと?」

「ほう・・」

それぞれにそれぞれらしい回答するよなぁなどと考えていると、目の前のアサシンの姿をしたヴェスパーが急に・・。なんだ・・これ・・?
姿が揺れはじめる。
一部一部が・・腕やら足やらの一部分が音を立ててかわり始める。
最終的に全身を包んだその揺れの後に見えたのはクルセイダー。

「なんとも・・これは」

「うおお!」

夜月さんが漏らした感想のすぐ後に、ボクに向かってヴェスパーは駆けはじめた。
慌てずに一歩下がると、呼吸を整えて気弾をひとつ生成した。

「うるせぇ」

気団を手に取り三段掌を打ち込もうとした矢先に、横合いからユピテルサンダーが打ち込まれた。声と共に放たれたその白色の電塊は、ヴェスパーの横腹に突き刺さると同時に吹き飛ばす。

「Qさん!!ボクに・・」

「言ってンな、来るぞ」

抗議は流されたけど、ヴェスパーが吹き飛んだ方向を見た瞬間に矢が飛んできた。
こ、今度はハンター・・?
間一髪避けたボクは三段掌を叩き込む。

「ぐっ・・」

よろめいたヴェスパーは、また体を揺らめかせる。
後ろに下がりながら何事か呟いていた。

「お、お師さんこれは・・?」

いつもの様に葭さんが夜月さんへ質問を投げる。
ソレを聞いても答えなかった夜月さんは、ヴェスパーとは違う方向を向いて叫んだ。

「下がれ!!」

急に言われて反応できたのはQさんとボクだけで、位置が悪かったのかやんさんは・・
そこまで確認は出来たけど、その後は周囲を見る事さえも出来なくなった。
現れたのは白蛇。
三頭の白蛇は天井から降り注ぐと、避けたはずのボクの視界を遮断した。

"お前に死なれたら困るのだが"

光のすぐ後に襲ってきた轟音の中で、確かにそう聞こえた。
あの声は・・どこかで・・。
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by factfinder | 2006-06-13 16:33 |  

心静まり、そして・・。22

「ハァッ!!」

やんさんが気合と共にヴェスパーを穿った。けど、槍の先は相手を貫いてはおらず、空しく空気を裂いただけだった。
ストームガストが発動している中で移動した・・?
不思議に思ったけど僕自身の視界にも煙幕の効果をもたらした吹雪は止む事無く吹き荒れる。
ヴェスパーの位置がわからない。
その時。
不意に足元が盛り上がる感覚があったボクは後ろに飛んだ。
思い違いじゃなかったみたいで、土で出来た槍の様なものが地面から迫り出して来ていた。

『うぁ!』

間一髪で避けたと思ったけど、右腕がかすったみたいだ・・。痛い・・。

『これは・・?』

僕の声が聞こえたのかどうかは知らないけど、夜月さんの怒鳴り声が聞こえてきた。

「グリムトゥース!?Luの体で!?」

怒っている訳じゃない・・?驚いてるのか。顔を見てみたい気がしたけど、とりあえず今はヴェスパーにこの気弾を叩き込む方が先決だ。

「葭!ルアフを!」

その声を聞きながらも迫り出す牙を避ける。
何個出てくるんだ・・!
ふとソコで気がついた。ボクの足元に牙が生えるまでの距離に、小さな牙で道のようなものが出来ている。という事は
辿ればヴェスパーの居場所って事か!
思い立った瞬間走り出した。
自分に向かって生える何個もの牙を避けながらルアフを発動させる。
ボクとヴェスパーを繋いでいた牙の道を辿りきると、何やらの爆発音と共にルアフが消えた。
目の前には"ヴェスパー"
Luじゃないとわかったらこっちのもんだ!

『ハッ!!』

両手をヴェスパーのお腹にあてがい、気弾を爆発させてやった!
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by factfinder | 2006-06-13 16:32 |